第2章 「配電理論」
 配電線の電圧降下・電力損失の計算、需要率・不等率・負荷率に関する計算、力率の改善に関する計算など毎年出題されています。この電圧降下、力率の改善ではベクトル図を用いた解き方が必要です。
 配電線路の建設や保守の面からは、配電線の保護装置関係、地中電線路等、新しい技術や技術基準の変更になったものを注意しておく必要があります。
「重要事項のまとめ」(PDFファイル)
配電線路の構成 単相2線式配電線 単相3線式配電線 三相3線式配電線
低圧配電方式の比較 配電電圧の調整 力率の改善 需要率・不等率・負荷率


配電線路の構成
配電方式 配電線路の機材 支線の強度計算 荷重とたるみ
配電方式
問題1
 単相変圧器2台を用いて、V結線三相4線式とし、100/200[V]で電灯・動力負荷に電力を供給する場合、二次側の結線として、正しいものは.

問題2
 わが国の高圧配電系統には、主として非接地方式が採用されている。この理由として誤っているものは。

  イ. 1線地絡時の故障電流が小さい。
  ロ. 1線地絡故障時の電磁誘導障害が小さい。
  ハ. 短絡事故時の故障電流が小さい。
  ニ. 非接地系統でも信頼度の高い保護方式が確立されている。
配電線路の構成機材
問題1
 送配電線用がいしの塩害対策として,誤っているものは.

  イ. がいし数を直列に増加する.
  ロ. アークホーンを取り付ける.
  ハ. 表面漏れ距離の長いがいしに取り替える.
  ニ. 洗浄装置を施設する.
問題2
 送配電線路の雷害対策の記述として,誤っているものは.

  イ. 鉄塔に架空地線を設置する.
  ロ. 電線の支持点付近にダンパを取り付ける.
  ハ. がいしにアークホーンを取り付ける.
  ニ. 避雷器を適正に配置する
問題3
 高圧CVTケ−ブルの半導電層の機能は.    
                        
  イ. 外部からの電界による影響を防ぐ.      
  ロ. 絶縁体表面の電位傾度を均一にする.     
  ハ. 高調波を防止する.             
  ニ. 絶縁体内への水の侵入を防ぐ.
問題4
 高圧地中電線路において,コンクリ−トトラフ等で防護することなく,直接地中に埋設してもよい電力ケ−ブルは.

                   
   イ. CV  ロ. CVT  ハ. CD  ニ. BN
支線の強度計算
問題1
 図のように取付け角度が30゚となるように支線を施設する場合,
 支線の引張荷重を21[kN]とし,支線の安全率を1.5とすると,
 許容される電線の水平張力の最大値[kN]は. 

  イ. 5  ロ. 7   ハ. 9   ニ. 11
問題2
 図のように支線を施設して電柱に加わる水平張力6[kN]を支えようとする. 支線として4[mm]の鉄線を用いるものとすれば,これを何条使用したらよいか.
 ただし,支線の安全率は2.0とし,鉄線1条の引張強さを4.4[kN]とする.


   イ. 3   ロ. 4   ハ. 5   ニ. 6
架空電線路の荷重とたるみ
問題1
 電線支持点が同じ高さの架空電線において、径間のたるみ(弛度)を一定とし、径間を半分にした場合、電線に加わる水平張力は何倍となるか。


   

問題2
 架空電線1[m]について電線の自重W[kN]、氷雪荷重W[kN]、
 風圧荷重W[kN]とすると、架空電線1[m]に働く合成荷重[kN]は。


   
   ハ. W+W+W      ニ. W+W−W

単相2線式配電線
問題1
 図のような配電線路における受電端の電圧Vrの値[V]は。


   イ. 200  ロ. 205  ハ. 210  ニ. 215 
 
問題2
 図に示す単相2線式配電線路の電流Iの値[A]は。


   イ. 40   ロ. 51   ハ. 56   ニ. 60
単相3線式配電線
問題1
図のような単相3線式配電線路において、中性線に流れる電流 Inの値[A]は。

  イ. 2  ロ. 4  ハ. 6  ニ. 8

 
問題2
 図のような単相3線式配電線路において、a-b間の電圧[V]は。


   イ. 97   ロ. 99  ハ. 100   ニ. 102
問題3
 図のような単相3線式電路(電圧210/105V)において,抵抗負荷A,B,Cを使用中に,図中の×印点Pで中性線が断線した場合,抵抗負荷Aに加わる電圧[V]は.
 ただし,どの配線用遮断器も動作しなかったものとする.


    イ. 60  ロ. 140  ハ. 160  ニ. 200
問題4
 図のような単相3線式回路において,×印の点でヒューズが溶断した場合,全消費電力[W]は.
 ただし,配線の抵抗は無視し,電源電圧および負荷の抵抗値は変化しないものとする.


   イ. 500   ロ. 750  ハ. 1000  ニ. 1500
三相3線式配電線
問題
 三相3線式配電線路から電力の供給を受ける遅れ力率80[%],消費電力300[kW]の三相平衡負荷がある.
 電線1条当たりの抵抗を1[Ω],リアクタンスを2[Ω],負荷端の線間電圧を6,000[V]とするとき,配電線路の送電端の線間電圧[V]は.


   イ. 6126  ロ. 6170  ハ. 6200  ニ. 6215
問題2
 図のような三相3線式配電線路において,負荷の消費電力をP[kW],負荷の線間電圧をV[kV],力率cosθ,電線1条の抵抗をR[Ω],リアクタンスをX[Ω]としたとき,配電線路の電力損失[W]を表す式は.
   
低圧配電方式の比較
問題
 図に示す単相3線式電線路の電力損失は,図Bに示す三相3線式電線路の電力損失の何倍か.
 ただし,電線1条当たりの抵抗を0.1[Ω]とする.

  イ. 1/3 ロ. 1/2  ハ. 2  ニ. 3
 
問題2
 図Aのような単相3線式電路と図Bのような単相2線式電路がある.
 図Aの1線当たりの供給電力は,図Bの1線当たりの供給電力の何倍か.

   イ. 1/3   ロ. 2/3  ハ. 4/3  ニ. 5/3
配電電圧の調整
問題1
 配電用6[kV]油入変圧器(定格電圧6600/210[V])のタップ電圧が6,600[V]のとき,二次側電圧が200[V]であった.
 二次側電圧を10[V]ほど高くするために選ぶタップ電圧[V]は.

  イ. 6,150  ロ. 6,300   ハ. 6,450   ニ. 6,750
問題2
 配電線路で送電端電圧が6,600[V]で,受電端の無負荷電圧が6,300[V],受電端の全負荷電圧が6,00[V]であるとき,受電端負荷側の電圧変動率[%]は.

    イ. 5   ロ. 6  ハ. 8  ニ. 10
力率の改善
進相コンデンサ 力率改善
進相コンデンサ
問題1
 定格電圧6,600[V],定格容量100[kvar],定格周波数50[Hz]の高圧進相コンデンサ(星形結線)に,定格周波数の三相交流電圧6,400[V]を加えたとき,
 このコンデンサに流入する電流[A]は,およそ.


   イ. 8.2  ロ. 8.5  ハ. 8.7  ニ. 14.7

問題2
 高圧進相コンデンサに関する記述として誤っているものは.

 イ. コンデンサの残留電荷を急速に放電するために,コイルまたは抵抗を設ける.
 ロ. コンデンサを投入すると,突入電流が流れる.
 ハ. コンデンサ回路の保護装置として,限流ヒューズを用いる.
 ニ. コンデンサに直列抵抗を設置すると,電圧波形のひずみを抑制することができる.

力率改善
問題1
 消費電力120[kW],遅れ力率0.8の負荷がある.
 力率を1にするために必要なコンデンサ容量[kvar]は.

   イ. 25  ロ. 45  ハ. 65  ニ. 90
問題2
 遅れ力率80[%],容量600[kVA]の負荷を有する高圧受電設備に定格容量220[kvar]の高圧進相コンデンサを設置して力率を改善した場合,受電点における負荷の容量[kVA]は.

   イ. 350 ロ. 400  ハ. 450  ニ. 500 
需要率・不等率・負荷率
問題
 設備容量4[KW]の需要家が10軒,5[KW]の需要家が2軒ある.
 各需要家の需要率が50[%],力率が100[%]であり,需要家間の不等率が1.25であるとき,
 これらの需要家の負荷を総合したときの最大需要電力[KW]は.


   イ. 20  ロ. 25   ハ. 30   ニ. 35
問題2
 図のような,日負荷曲線を有する負荷に電力を供給している受電設備における日負荷率[%]は.


  イ. 37.5  ロ. 50.0  ハ. 62.5  ニ. 75.0 
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