第5章 「電気工事の施工方法」
 電気設備を設置または変更しようとする場合に行う工事の施工方法については、「電気設備技術基準(電技)とその解釈(解釈)」に適合していることが必要です。
 この電技・解釈の中でも、低圧屋内配線工事、高圧工事の施工方法、高圧機器の施設方法、高圧電路及び機器の接地工事などが繰り返し出題されています。
 平成17年度から、等価実技の高低圧電線路、高圧受電設備の見取り図・機器配置図等からの施工方法、使用材料についての出題が加わっています。
「重要事項のまとめ」(PDFファイル)
高圧工事 低圧工事 接地工事 低圧施工図
高圧工事
屋内配線工事 機械器具の施設 電線路の施設
高圧屋内配線工事
問題1
 高圧屋内配線で乾燥した場所であって展開した場所において施工できる工事の種類は。        
 
    イ. がいし引き工事  ロ. 合成樹脂管工事
    ハ. バスダクト工事  ニ. 金属管工事
問題2
 高圧CVケ−ブルを屋内に施設する場合の施設方法で誤っているものは。

 イ. ケ−ブルを収める金属製接続箱を人が触れる恐れのないように施設し、D種接地工事を行った。
 ロ. ケ−ブルを造営材の下面に沿って取り付ける場合、支持点間の距離を2mとした。   
 ハ. ケ−ブルを人が触れる恐れのない場所で造営材に垂直に取り付ける場合、支持点間の距離を6mとした。
 ニ. ケ−ブルを造営材の側面に取り付け、ガス管とは直接接触しないように施設した。
高圧機械器具の施設
問題1
 電気設備の技術基準の解釈において、高圧用機械器具を工場構内に設置する場合、適当でないものは。 

 イ. 高圧用変圧器の周囲に人が触れるおそれのないように適当なさくを設ける。
 ロ. 高圧用機械器具をさくを設けずに地表上3.5[m]の高さに施設する。  
 ハ. 動作時にア−クを生ずる高圧用開閉器を木製の壁、天井から1[m]離して施設する。
 ニ. 高圧用機械器具を屋内の取扱者以外の者が出入りできないように設備した場所に施設する。
問題2
 図は、ある自家用電気工作物構内の受電設備を表した図である。
問い 答え
 @に示す高圧母線の太さを決めるのに関係がないものは。 イ. 負荷容量の大きさ        ロ. 短絡電流の大きさ
ハ. 地絡電流の大きさ        ニ. 遮断器の遮断時間
 Aに示す三相変圧器を300[kVA]から500[kVA]に変更した場合、
 一般にこのPC×3は。
イ. PC×3(限流ヒューズ付)とする。
ロ. PC×3(素通し)とする。
ハ. LBSに取り替える。
ニ. DS×3に取り替える。
 Bの端子部分に施す接地工事について、適切なものは。 イ. 接地線に直径2.0[mm]のIV線を使用した。
ロ. 高圧電路の1線地絡電流が5[A]であったので、接地抵抗値を30[Ω]以下とした。
ハ. 避雷器の接地極と兼用し、接地抵抗値を80[Ω]とした。
ニ. 地絡電流が流れたとき、接地を切り離す装置を設けた。
 Cに示すコンデンサを設置する目的は。 イ. 高圧電路の進み力率を小さくする。
ロ. 低圧電路の遅れ力率を改善し三相変圧器を有効に利用する。
ハ. 低圧電路の線路損失を少なくする。
ニ. 高圧電路の遅れ無効電流を少なくする。
 Dに示す機器の機能に関する記述として、正しいものは。 イ. 雷などによる異常な過電圧を放電し、機器等の絶縁を保護する。
ロ. 雷などによる異常な過電圧を検出し、電路を遮断する。
ハ. 短絡電流を検出し、電路を遮断する。
ニ. 短絡電流を大地へ流し、機器等を保護する。
電線路の施設
問題1
 高圧絶縁電線を用いた高圧架空電線が、人家の上部造営材の上方に接近する場合、電線と上部造営材との離隔距離の最小値[m]は、電気設備の技術基準の解釈では。

             
   イ. 1.0  ロ. 1.2  ハ. 2.0   ニ. 2.5 
問題2
 高圧架空電線にケ−ブルを使用し、ちょう架用線にハンガにより施設する場合、原則として、ちょう架用線に使用する亜鉛メッキ鉄より線の太さとちょう架用線に施す接地工事の種類との組合せで正しいものは。
       
イ. 14[mm2]、A種接地工事  ロ. 14[mm2]、D種接地工事
ハ. 22[mm2]、A種接地工事 ニ. 22[mm2]、D種接地工事

問題3
 車両その他の重量物の圧力を受ける恐れがある場所に直接埋設式により高圧地中電線路を施設する場合、コンクリ−トトラフに収めないで施設できるケ−ブルは。


    イ. CVケーブル  ロ. CEケーブル
   ハ. CDケーブル  ニ. BNケーブル

問題
 図は、ある自家用電気工作物(500kW未満)の引込柱から高圧屋内受電設備に至る施設の見取図である。
問い 答え
 @の高圧架空電線(高圧絶縁電線)と看板との最小離隔距離[m]は。 イ. 0.4  ロ.  0.8  ハ. 1.2  ニ. 1.5
 Aに示すケーブル防護管の地表上の最小高さ[m]は。 イ. 1.8  ロ.  2.0  ハ. 2.5  ニ. 3.0
 Bに示す支線(より線)に用いられる素線の最小条数は。 イ. 2  ロ.  3  ハ. 4  ニ. 5
 Cに示す長さが15[m]を超える構内地中電線路のケーブル埋設シートにおおむね2[m]の間隔で施さなければならない表示事項は。 イ.  物件の名称
ロ.  施工者名
ハ.  電圧
ニ.  ケーブルの種類
 Dで示す構内地中電線路を管路式として施工する場合に使用できない管路材は。 イ.  硬質ビニル電線管
ロ.  防食処理を施した薄鋼電線管
ハ. ポリエチレン被覆鋼管
ニ. 遠心力鉄筋コンクリート管(ヒューム管)
問1 問2 問3 問4 問5
低圧工事
屋内電路・幹線の施設 屋内配線工事の種類 屋内配線の工事方法 特殊場所の配線工事
低圧屋内電路と幹線・分岐回路の施設
問題1
 白熱電灯または放電灯に電気を供給する工場屋内電路の対地電圧の最大値[V]は、電気設備技術基準の解釈では。

        
   イ. 100  ロ. 150   ハ. 200  ニ. 300
問題2
 定格電流10[A]、20[A]、30[A]の電動機各1台、10[A]、20[A]の電熱器各1台を接続する幹線の太さを決める根拠となる電流の最小値[A]は。

   イ. 90   ロ. 96   ハ. 105   ニ. 120

問題3
 図のように低圧屋内幹線を分岐する場合、分岐線の長さ(a)と分岐線の許容電流(b)の組合せで誤っているものは。ただし、幹線の過電流遮断器の定格電流は100[A]とする。         

    (a) 2m    (a) 2m    (a) 2m    (a) 2m
  イ.       ロ.       ハ.      ニ.  
    (b) 30[A]   (b) 30[A]   (b) 30[A]   (b) 30[A]

問題4
 単相3線式100/200[V]配線において、20[A]配線用遮断器を用いた分岐回路に関して、電気設備技術基準の解釈に適合していないものは。


 イ. 100[V]回路に、定格15[A]125[V]のコンセントを10個接続した。
 ロ. 100[V]回路に、定格20[A]125[V]のコンセントを1個接続した。
 ハ. 600Vビニル絶縁電線の太さを2.0[mm]とした。
  ニ. 200[V]回路に単極の配線用遮断器を使用した。

問題5
 電気設備技術基準の解釈において、低圧電路に使用する定格電流30[A]以下の配線用遮断器に、定格電流の1.25倍及び2倍の電流を通じた場合、自動的に動作しなければならない時間の組合せとして正しいものは。   

  イ. 60分以内と2分以内   ロ. 60分以内と4分以内
  ハ. 120分以内と2分以内   ニ. 120分以内と4分以内

問題6
 電気使用場所において、漏電遮断器を設けなければならない電路は、電気設備技術基準の解釈では。

 イ. 対地電圧150[V]以下の機械器具を、水気のある場所以外の場所に施設する
 ロ. 接地抵抗値が3[Ω]以下のD種接地工事を施した機械器具に接続する電路
 ハ. 電気用品安全法の適用を受ける二重絶縁構造の機械器具に接続する電路 
 ニ. 高圧電路に変圧器で結合される300[V]を超える低圧電路
屋内配線工事の種類
問題1
 屋内の乾燥した展開した場所において、施設することのできない使用電圧400[V]の配線工事は。 
                         
   イ. 金属管工事   ロ. 金属ダクト工事 
   ハ. 金属線ぴ工事  ニ. バスダクト工事
問題2
  低圧屋側配線を施設する場合に施工してよい工事の種類として、誤っているものは。

  イ. がいし引き工事(展開した場所に限る) 
  ロ. 合成樹脂管工事  
  ハ. ビニル外装ケ−ブル工事
  ニ. 金属線ぴ工事(木造以外の造営物に施設する場合に限る) 
低圧屋内配線の工事方法
問題1
 低圧屋内配線の合成樹脂管工事に関する記述として、誤っているものは。  

 イ. 管の支持点間の距離を1.5[m]とした。
 ロ. CD管を直接コンクリ−トに埋め込んで施設した。
 ハ. 合成樹脂製可とう管相互をカップリングを使用せずに直接接続した。 
 ニ. 重量物の圧力を受けるおそれがない場所に施設した。
問題2
 低圧屋内配線の金属管工事に関する記述として、正しいものは。
      
 イ. 電線には屋外用ビニル絶縁電線を使用した。
 ロ. コンクリ−トに埋め込む部分の金属管の厚さを1.2[o]とした。    
 ハ. 人が触れるおそれがある箇所に施設する400[V]配線で、感電防止のため金属管にD種接地工事を施した。
 ニ. 露出部分に施設するボックスには、絶縁性があり安全な合成樹脂製のものを使用した。   
問題3
 低圧屋内配線工事の記述として、誤っているものは。
           
 イ. ライティングダクト工事において、ダクトの開口部は下向きに、ダクトの終端部は閉そく、ダクトの支持点間の距離を2[m]とした。      
 ロ. フロアダクト工事において、直径3.2[o]のIV電線を用いた。    
 ハ. 合成樹脂製可とう管と金属管をカップリングを用いて接続した。   
 ニ. バスダクト工事において、ダクトを4[m]の間隔で造営材に水平に取付けた。
問題4
 低圧屋内配線のセルラダクト工事に関する記述として、誤っているものは。
   
 イ. 電線には、600Vビニル絶縁電線を使用した。
 ロ. 配線の使用電圧は415[V]とした。
 ハ. ダクト内の容易に点検できる場所で電線を分岐した。
 ニ. ダクトにD種接地工事を施した。 
問題5
 低圧屋内配線のケ−ブル工事に関する記述として、誤っているものは。
   
 イ. ケ−ブルとガス管とを直接接触しないように施設した。
 ロ. メタルラス張りの木造の造営物に設置する金属製の電線接続箱とメタルラスとを電気的に完全に接続した。  
 ハ. 人が触れるおそれがない場所においてケ−ブルを垂直に6[m]間隔で取付けた。  
 ニ. 400[V]配線で、人が触れるおそれがあるためケ−ブルを金属管に収めて、金属管にC種接地工事を施した。

問題6
 低圧屋内配線と弱電流電線が接近又は交さする場合の施工方法として不適当なものは。
        
 イ. 低圧屋内配線を合成樹脂管工事とし、弱電流電線と接触しないように施設した。
 ロ. 低圧屋内配線と弱電流電線(制御回路等の弱電流電線を除く。)を、ともに低圧ケ−ブルを使用して同一管内に収めた。
 ハ. 低圧屋内配線を金属ダクト工事とし、電線と弱電流電線を互いの間に堅ろうな隔壁を設け、かつ、金属製部分にC種接地工事を施した同一ダクト内に収めた。
 ニ. 低圧屋内配線を金属管工事とし、電線と制御回路用弱電流電線を、ともに同等の絶縁効力があり、かつ、互いに容易に識別できる絶縁電線を使用して同一管内に収めた。 

特殊場所の配線工事

問題1
 マッチ,セルロイド等の燃えやすい危険な物質を製造又は貯蔵する場所で,施設することのできない低圧屋内配線の工事は.

 イ. 薄鋼電線管工事        ロ. 金属ダクト工事 
  ハ. 厚さ2[mm]の合成樹脂管工事   ニ. MIケ−ブル工事 

問題2
 プロパンガスを容器に詰め替える作業場所に施設する施工方法として不適切なものは.

 イ. 配線は金属管工事により行い,付属品には耐圧防爆構造のものを使用した.
 ロ. 可搬形機器の移動電線には3種クロロプレンキャブタイヤケーブルを使用した.
 ハ. スイッチ,コンセントは耐圧防爆構造のものを使用した.
 ニ. 金属管工事において,電動機の端子箱との接続部に2種金属製可とう電線管を使用した.
接地工事
種類と接地抵抗値 接地工事の施設 接地工事の方法
接地工事の種類と接地抵抗値
問題1
 高圧配電線路の1線地絡電流が4[A]のとき、6kV変圧器の二次側に施すB種接地工事の接地抵抗の最大値[Ω]は。
 ただし、高圧配電線路には、高低圧電路の混触時に1秒以内に自動的に電路を遮断する装置が取り付けられているものとする。

  イ. 37.5  ロ. 75  ハ. 150  ニ. 300
問題2
 「電気設備技術基準の解釈」において、次の記述の空欄箇所@及びAにあてはまる数値の組合せとして正しいものは。
 D種接地工事の接地抵抗値は100[Ω](低圧電路において,当該電路に地気を生じた場合に[ @ ]秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設するときは[ A ][Ω])以下である。

   イ. @ 0.5、A 500   ロ. @ 0.5、A 600
    ハ. @ 1.0、A 500   ニ. @ 1.0、A 600
接地工事の施設
問題
 次の接地のうち、A種接地工事によらなくてもよいものは。
電気設備技術基準の解釈では。

 イ. 受電室内の高圧進相コンデンサの外箱の接地
 ロ. 受電室内の高圧ケ−ブルヘッドの接地
 ハ. 人が触れるおそれがある屋内に施設する高圧ケ−ブルを収める管の接地
 ニ. 電路に施設する高圧用の機械器具の鉄台の接地 
問題2
 「電気設備技術基準の解釈」において、電路に施設する機械器具の鉄台及び金属製外箱等に施す接地工事が省略できる場合の記述として、誤っているものは。

 イ. 乾燥した場所に施設する場合
 ロ. 乾燥した木製の床に施設する場合
 ハ. 鉄台又は外箱の周囲に適切な絶縁台を設ける場合
 ニ. 電気用品取締法の適用を受ける二重絶縁構造の機械器具を施設する場合
接地工事の方法
問題1
 「電気設備技術基準の解釈」において、次の記述の空欄箇所@及びAに当てはまる数値の組合せとして正しいものは。
 人が触れるおそれのある場所に施設するA種及びB種接地工事の接地線を鉄柱に沿って施設する場合、接地極を鉄柱の底面から @ [m]以上の深さに埋設する場合を除き、接地極を地中で鉄柱から A [m]以上離して施設する。
                 
  イ. @ 0.3、 A 0.6    ロ. @ 0.3、 A1.0
  ハ. @ 0.75、A 0.6   ニ. @ 0.75、A 1.0 
問題2
 「電気設備技術基準の解釈」において、地中に埋設された金属製水道管(水道管内径75o以上のもの)を接地工事の接地極として使用する場合、この金属製水道管と大地との間の電気抵抗の最大値[Ω]は。       

                        
   イ. 1   ロ. 2   ハ. 3   ニ. 5
低圧工事施工図
問題
  図は、電気シャフトから展開した乾燥した機械室の電灯分電盤及び動力制御盤へ電源供給する低圧幹線の平面図である。
問い 答え
@で示す動力制御盤の接地工事の種類で正しいものは。 イ.  A種接地工事
ロ.  B種接地工事
ハ.  C種接地工事
ニ.  D種接地工事
Aで示す金属管工事で正しいものは。  イ. 電磁的平衡を考えて1回路の電線3本を同一の金属管に収めた。
ロ.  金属管内に電線の接続点を設けた。
ハ. 電線は屋外用ビニル絶縁電線を用いた。
ニ.  乾燥した展開した場所における長さ5[m]の金属管工事なので、厚さ0.8[mm]の管を使用した。
Bで示す支持点間の距離の最大値は。 イ. 2  ロ.  3  ハ. 4  ニ. 5
Cに示す金属ダクト工事で誤っているものは。 イ.  容易に点検ができるのでダクト内部に電線の分岐接続点を設けた。
ロ.  ダクト内の電線は移動しないように固定した。
ハ.  金属ダクトの内部断面積は、収める電線の断面積(絶縁被覆の断面積を含む)の総和の5倍以上とした。
ニ.  ダクト内面及び外面にさび止めの塗装を施し、終端部分は冷却のため開放した。
Dで示す支持点間の最大値[m]は。 イ. 1.5  ロ.  2.0  ハ. 2.5  ニ. 3.0
Eで示す細い幹線を金属ダクト内の太い幹線から分岐する場合で電線の太さと長さLの組合わせで誤っているものは。
電線の太さ 管内での許容電流
2.0[mm]  24[A]
5.5[mm2]  34[A]
 8[mm2]  42[A]
38[mm2] 113[A]
イ.  2.0[mm]を使用してLが3[m]
ロ.  5.5[mm2]を使用してLが4[m]
ハ.  8[mm2]を使用してLが8[m]
ニ.  38[mm2]を使用してLが20[m]
問1 問2 問3 問4 問5 問6
戻る(目次)
第1章
 電気理論
 
第2章
 配電理論
第3章
 
電気応用
 
 第4-1章
 電気機器
 第4-2章
 器具・材料
第4-3章
 受電設備
 
TOPへ    第6章
 検査方法
 第7章
 発変電・送電
  第8章
 保安法令
 第9章
 配線図
試験問題
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